「僕の命を、君にあげる」究極の選択に向き合う人々の深い愛情に満ちた決断に、悲しくも温かい涙が頬を伝う、いぬじゅん渾身の最新作!

心臓の病気が発覚し、会社を退職することを決めた生内花菜は、最終出社日に同僚から都市伝説のように広まっている余命銀行についての話を聞く。最近は親友とも心の距離が離れていると感じ、落ち込んでいた矢先、鈴本朋子というどこか不思議な女性と出会う。彼女に連れていかれたのはカウンターのある小さなオフィス――余命銀行だった。実在に驚きつつも、謎めいた支店長・伊吹と黒猫ワトソン、朋子とともにそこで働くことになった花菜は、命を預けにくる人々に寄り添うことになって――。