もう自分を見失うことはない――そう思っていた。

様々な依存症に苦しむ人々を救う『治し屋本舗』。
そこに勤める嶋村羽音は、かつての自分と同じ症状に苛まれる対象者専門の治し屋として順調に仕事をこなしていた。そんなある日、社長の鬼塚から命じられた新たな案件の対象者、沢木聖人との出会いにより、重なる過去の自分、そして自分を絶望の底に追い込み完全に克服したはずの【失恋依存症】と再び向き合うことになり――。

喪失の果て、最後にあふれる涙!いぬじゅんが満を持して贈る、再生の物語。