忘れてもいい。覚えていてもいい。
君が幸せなら、それだけで――。

感涙必至! 「記憶」に悩む人々が集う、不思議なアパートの物語。


そのアパートの住人たちには、不思議な共通点がある。それは全員、「記憶」に関する悩みを抱えていること――。記憶喪失の男子高校生、前世の記憶があるOL、若年性認知症の男性、胎内記憶を持つ女の子……そして、大家である「坂下さん」にも、ある秘密があった。つらい思い出は忘れたほうが幸せなのか、自分の記憶は本当に正しいのか。現代人の悩みに優しく寄り添う、感動の連作短編集。